題名のない雑記帖

まだまだ道半ば。今はまだタイトルをつける時じゃない。

ビアガーデン②


駅前に戻ってきたわたし達は、山羊くんの提案でビリヤードに行った。
そこは他にダーツと卓球も楽しめるけど、その中でビリヤードが一番好きなのでビリヤードにしてもらった。
とは言え久しぶり過ぎるし全然出来ないんだけど。

 


まずは飲もうと言われてカウンターに座った。
なんとなく癖で端っこに座ったら

「端っこ好きなのー?こっち座りなよ。」

と言われたので隣に座り直した。

カクテルを頼む。わたしの好きなスプモーニがあったのでテンションが上がった。

小学生や中学、高校の頃の部活の話なんかをした後、例の街コンに行ってきた話を切り出してきた。
纏めると人数も少なく、男女共に微妙だったようだ。

20代の女の子とLINEを交換したらしく、その子から食事に誘われたけど返してないんだよねーって言いながら何故か画面を見せてきた。
とりあえず行ってみればいいじゃんと返したけど、あまり乗り気になれないようだった
ので、暇つぶしで人と会うとかはしない人なんだろうと思った。
わたしもそういうタイプなので、人付き合いの価値観が同じみたいでよかったと嬉しく思った。

同い年の男性のことを凄くおじさんに見えると言っていたので、自分が若く見えてイケメンの自覚はやっぱりあるんだなと思って

「まあ最近の30代はホント人によって差があるもんね!山羊くんは若く見える
 もんねー。」

って言ったら、

「いやでもオレも数年前はそんなことなかったよ。」

とか言ってきたのでまた混乱した。

とりあえずそのおじさんぽい人が自己紹介の時に
〝人見知りなので緊張してます。〟
って言ったことが山羊くんの中ではありえないらしく、

「やめてくれよー!って思った。男が人見知りとかカッコ悪いじゃん。
 オレだって昔凄い人見知りだったけど克服したんだよ。」

って言ってて驚いた。人見知りとか嘘でしょ?人たらしじゃないの?って感じだから。
人見知りに男も女もないだろと思ったけど、努力して克服するような人にはそんな言い訳みたいなこと言うのは情けなく映ったのかな。
男はこうあるべきみたいな哲学がある人なんだろう。

そろそろビリヤードしようということになって移動した。

わたしが酔いもあって全然出来ないのを見かねてか、急に後ろからわたしの手に自分の
手を重ねて、文字通り手取り足取りキューの持ち方と力の入れ方を教えてくれた。
正直突然の事に動揺したけど、ここでドキドキしてるのがバレたら勘違いすんなとか思われそうだし、小娘じゃあるまいしこんなこと何とも思いませんよって顔を必死に保った。

その後教えた通りにやってみなって言われたけどやっぱり出来なくて、出来ない~って
ヘラヘラしようとしたら物凄い鋭い眼光で台をガン見してて

〝…!!! この人本気だ、本気で教えてくれようとしてる……!!〟

って身が引き締まる思いがしたので頑張った。頑張ったけどやっぱり出来なかった。
遊びにきた筈なのになんだこの緊張感。嫌だ帰りたい。
イケメンが鋭い目つきになると超怖いよーー!!泣泣泣