題名のない雑記帖

まだまだ道半ば。今はまだタイトルをつける時じゃない。

悪酔い


しばらくしてまた山羊くんが急にスマホをいじりだしたと思ったら、耳を当てて何かを聞き出した。
真剣な顔してるし留守電に緊急の用件でも入ってたのかなと思ってそのまま静かに待ってたけど、なかなか終わりそうにない。
せめて一言断ってくれればな…と思いながら一旦トイレに立った。

 


戻ってきてもまだ終わってなくて、バーだからカクテルが本格的で、美味しいけど結構酔っていたわたしは具合が悪くなりそうだった。
話してればまだマシだけど、弱いからほっとかれて黙ってる時間が長くなると嫌なお酒の回り方になってしまうのだ。

そろそろ限界かも、忙しそうだから今日はもうお開きにしようか、っていい加減声をかけようかと思ったところで謎の用が終わった。

今日は山羊くんから誘ってくれたはずなんだけどなー、具合も悪くなりそうだしなんかテンション下がっちゃったなー、なんて考えていたら、山羊くんがいきなり

「……あーーー、水槽が3コに見える。」


とか言い出して、え!?って思って、

「もしかして、酔ってるの?」

って聞いたら

「なんか急にきた。今すぐ横に布団敷いて欲しいもん。笑」

なんて言ってきた。
おいおい、酔ってきたのはわたしの方だよ急にほったらかしにされてさ!
なんだこれ、今日だいぶ楽しくないぞ。

また山羊くんがスマホいじり始めたと思ったらまた急に

 

「あーーー無理!三重に見えてスマホ見れない!
    SUNさんごめん!少し横になったら回復するから、この前行ったネットカフェ、
 この辺にもあるか調べてくれる?」

って言い出して、言われた通り一応調べはしたけど、店内が暗いからスマホの光が目に痛いし、頭痛もしてるし、前回の悪夢が蘇ってネットカフェはツライ…と思って、意を決して言ってみた。

「歩けそう?このまま電車乗れる?乗れそうなら、今日はもうお開きにしない?」

そうするかーって返ってきたので、このまま帰ることにした。

駅に向かう途中で今日のお会計を全部任せっぱなしだったことを思い出した。

「ごめん今日お金払ってなかった!いくら!?」

って言ったら最初はいいよとか言ってくれたけどダメだよと言って支払った。
まあ山羊くんのほうが多めに出してくれてると思うけど。

「ちゃんとしてるよねー。」

って言われた。笑

電車が反対方向なので、改札入ったところで寝過ごさないようにね、それじゃよいお年をって声を掛けて別れた。

なんだか想像してたのとは違った忘年会になってしまった。