題名のない雑記帖

まだまだ道半ば。今はまだタイトルをつける時じゃない。

比較


元々友達を増やして人生の幅を拡げるのが目的でサイトに登録したのに、いつの間
にかすっかり山羊くん一色になっている。

これじゃダメだと、前からやり取りしていたけどただ淡々としたやり取りが続いて
いるだけで、特に話が盛り上がったりすることもなくあんまり仲良くはなれないな
と思っていた人がいて、でも半年くらい前に唐突に誘われてはぐらかしていた人が
いたので、その人と会ってみることにした。
悪い人ではないし切る理由もないから続けていた人だ。

 


その時また気になる映画があって、でもそれは一人で観るのはちょっと怖い内容かも
しれなかったので、興味あれば一緒にどう?と誘ってみた。

行きたいとのことだったので日程を詰めた。

その人とは読書の話が主だったので、待ち合わせは商業施設内の本屋にした。
そこのレストラン街でランチしてから映画を観ようということになったので。

会って最初に抱いた印象はザ・公務員!て感じの真面目そうな人だった。
漫画を描く仕事をしてて、カワイイ雑貨が好きらしかったのでだいぶ想像と違って
こちらもちゃんとしなきゃ!みたいに妙に緊張した。

ランチしてる間に結構わたしは早い段階で緊張は解れたけど、相手の手が凄く震えて
いるのに気付いてこの人はまだ緊張してるのかな、と思った。
と同時に

「緊張してる?」

と聞かれた。
えー、緊張してるのは自分でしょ、それを隠す為に相手にそんなこと聞いてるの?
と感じて、正直なんだかなーと思った。
山羊くんが前に人見知り宣言した男性を情けなさそうに言っていた意味がなんとなく
解った瞬間だった。

「さっきまでは緊張してたけど、もう慣れた!」

って答えたら、〝緊張してた〟に反応したらしく

「やっぱり緊張するよね!」

と言われて、ますますなんだかなーと思った。

それにいきなり会ってみてどう思った?なんて聞かれるし、そんなこと面と向かって聞かないでしょう、と呆れてしまった。
真面目な人なのはわかるんだけどね。。

なんとか話を盛り上げて、映画を観て、一応お茶に誘って解散したけど、もうこれ以上
仲良くはなれないなと思った。
緊張とかあるから一回で判断したくはないんだけど、どうにもつまらなかった。
向こうは楽しかったらしく別れ際にまた絶対会おうね!って言われたけど。
申し訳ないけどわたしはもう会う気にはなれなかった。

結局山羊くんが恋しくなっただけだった。
終始山羊くんだったらこんなこと言わない、山羊くんだったらこう言うだろう、そんなことばかり考えていた。

映画を観たのが新宿だったので、居酒屋群を目にした時にあー、山羊くんと飲みに行きたいなーって思って、ついメールしてしまった。

『今から飲み行かないー?』
『冗談だよ笑 
今新宿にいて居酒屋群見たら飲みたくなっただけ笑』

返信が怖くてそのままスマホはしまい込んで電車に乗った。

電車を降りてバス停でバスを待ってる時に返信があったのに気付いた。

『ビビった~!笑 花金だしな!』
『いきなり当日とかに誘っても大丈夫?』

全然飲みに行く話にもならないから、まさかの返信が嬉しかった。
微妙な日になっちゃったけど、そのお陰でメール出来てよかったと思った。
この日会った人には本当に申し訳ないんだけど…。

『その時によるけど、大丈夫な時は大丈夫だよ♪』

近いうちに会えたらいいなと思いながら、そう返信した。