題名のない雑記帖

まだまだ道半ば。今はまだタイトルをつける時じゃない。

もう少し


アメ横内をあーでもないこーでもないと言いながら練り歩いて、結局大衆居酒屋に
落ち着いた。

ここで話してる時にごく自然な流れで山羊くんの名前が知れた。
今まであだ名で呼んでて上の2文字しか知らなかったのだ。
酔った頭の片隅で、今のわたしの会話の運び天才的じゃん!?なんて悦に入っていた。
こうやって少しずつ山羊くんの情報が集まるたびに喜びを感じていた。

 


わたしは手相には興味ないのだけど、この少し前にたまたまTVで観た手相の話から
結婚線が2本あることを知って、それを山羊くんに言ったら、えーどれー?って言い
ながら山羊くんがわたしの結婚線をなぞって、わたしまるでエロ親父みたいな手口
使ってんなと思いながらも内心ニヤニヤしていた。

「オレ60歳で結婚とかになったらどうしよう…。」

「でも世の中にはそのくらいで初婚でも幸せな結婚してる人だっているじゃん!」

そうだよね!って山羊くんは笑ってたけど、山羊くんは結婚なんてしなくていいよって思ってしまう…とんでもなく自分勝手だけど。
こんな風に会えるのも、ずっと続かないことはわかってる。
彼女が出来たって言われたらおめでとうって言って、一切の接触を断つ覚悟も常にしてる。毎回これが会えるのは最後かもしれないって思ってる。
でも今は、もう少しだけ、山羊くんとの時間を失くしたくない。

外に出たら小雨が降っていた。

「傘持ってきた?」

山羊くんが気遣ってくれた。取り皿の件といい、よく気が付くところも素敵だなと思う。男性脳と女性脳の配分が絶妙なバランスの人なんだと思う。
あいにくしっかり折り畳み傘を持ってきていた。
持ってなかったら相合傘出来たかな、なんてくだらない考えがまた頭をかすめた。

駅に着いて別れる時、帰り気を付けてねって言ってくれた。
山羊くんから初めてこんな言葉かけられたから、凄く嬉しかった。
お陰でかなり幸せな気分に浸りながら帰路についた。