題名のない雑記帖

まだまだ道半ば。今はまだタイトルをつける時じゃない。

クリムト展①

 

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6月半ばに会えることになった。
約束の前日になったけど、
珍しくどうするかが決まってなかった。

『明日どこで会う?何食べる?』

前回会った時胃カメラ飲んだって話を聞いていたので、お酒もよくなさそうだしと
思いご飯でもどうですか?と声を掛けてたのだ。

いくつかの行きたいところの候補が送られてきて、今の時期は撮影とか忙しそうだし
さくっとご飯に行くものだと思ってたので驚いたけどゆっくり過ごせるのは予想外で
嬉しかった。
候補の中にクリムト展があって意外だった。
わたしも行きたいと思ってたので上野で待ち合わせすることになった。

『SUNさんデジカメ持ってる?いいの撮れたら宣材写真に使いたいから持ってきて♪』

いきなりこんなこと頼まれて面食らったけど、これ堂々と山羊くんを撮れるチャンスじゃん!と内心ほくそ笑んだ。


当日、待ち合わせ場所にいた山羊くんはなぜかスーツ姿だった。
爽やかなサラリーマン風の写真を撮りたいらしい。
普通、スーツマジックってあるし、わたしも男性のスーツ姿は素敵だと思うんだけど、山羊くんはスーツより私服の方がいいなと思ってしまった。
こんなこと初めてだ。いちいち山羊くんは予想外だ、何故なんだろう…。

しばらく観察して、そもそも〝普通のサラリーマン〟が似合わないんだなと気付いた。
山羊くんに似合うスーツってもっと普通じゃないデザインな感じがする。
前髪も、下ろしてる方がいいなとか、余計なお世話なことばかり考えてた。笑

展覧会の前にランチして、上野公園で少し撮影した。
さすがに自然な笑顔とかポーズを作るのが上手いなと思った。
あー、池袋の日の山羊くんをこういう風に思いっきり撮りたかったなー!!笑

いよいよクリムト展に向かったけど、山羊くんが解説のヘッドホンを借りるというので、結局バラバラに観てまわった。
解説聴くなら邪魔しちゃ悪いし、会場に入った途端なんだか急に白昼堂々男の人と並んでいるのが落ち着かなくなったのだ。
クリムトは素晴らしかったしその場でああだこうだ言えないのは寂しかったけど、まあ絵画鑑賞であまり喋るものでもないしね。。

終盤の第九を描き表した壁画、〝ベートーヴェン・フリーズ〟の部屋に入った時、どこからか山羊くんが現れてヘッドホンを付けてくれた。
ヘッドホンからは第九の歓喜の歌が流れてきて、素晴らしい演出とこれを味合わせてくれた山羊くんの行動に感動したのと同時に、後ろからいきなりヘッドホン付けられたからか、なんだかとても官能的な瞬間に感じられた。
甘美な交わりをしたような感覚に陥って、公衆の面前で物凄くドキドキした。
山羊くんはあの時わたしの中でそんなことが起こってたなんて知る由もないけれど。

クリムトについて知識がないまま観に行って今もそのままだったのでこの記事を書くにあたり今調べたら、あの壁画には男根、女陰、精子卵子がふんだんに描かれていたと出てきた。全く知らず気付きもしなかったが、あの瞬間、クリムトに当てられてたのかな…。笑

本来あの壁画は展覧会後すぐ取り壊される予定だったらしい。
取り壊されずに残されて、時を経て日本で観ることが出来た奇跡に感謝したい。