題名のない雑記帖

まだまだ道半ば。今はまだタイトルをつける時じゃない。

烏森神社

 

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飲んでる間ずっと奥にある烏森神社が気になっていた。

せっかくだからと神社が背景になるように写真を撮ったけど、一緒にお参りしたいなぁ
と秘かに思っていた。
でも今日は20時くらいまでとあらかじめ言われていたので、そんな時間もうないなと
諦めていた。

そろそろ行こうと席を立った時、山羊くんが言った。

『お参りしてくー?』

まさかの展開で凄く嬉しかった。

ちょうど茅の輪くぐりが出来る時期だったので、一緒にくぐりたいと思ってたのに、何を思ったかわたしは一歩先にくぐってしまった。
ホントに、山羊くんといると予期せぬところで調子が狂うというか、自分でも何故そうしたのかわからない意図せぬ方向に動いてしまうことがある…。

少し悔いが残ったが、一緒にお参りは出来たので満足だった。
それにしてもこんなところに神社があったなんて知らなかった。

参道入口付近で山羊くんが写真を撮り出して、その後ろ姿を眺めていたら、〝君の後ろ姿〟を思い出した。
今なら思う存分好きな人を見る目で見てられるなと思って、その背中を目に焼き付けた。

駅まで歩いてる時に道が狭い箇所があって、山羊くんが前を歩いてた時はなぜか急に疲れた背中に見えて、わたしが癒せるなら癒してあげたいけどわたしじゃダメなんだろうなぁ、と思って少し寂しい気持ちになった。
なんであの時不意にそんな思いに囚われたのかはわからない。

なぜか駅前のビルを少し見ていくことになった。
レトロな雰囲気でレトロ好きとしては興味津々だったし、一緒にいられる時間がまた延びて嬉しかった。
なかなか興味深いお店がいくつもあって、ここで飲むのも面白そうだと思ったんだけど
急に山羊くんが目が痛いと言い出したので慌てて外に出ることにした。
結構アレルギー体質らしいし、空気がよくなかったんだろう。
ここで飲むのは無理だなと諦めた。

この日はホームでお別れだった。
わたしはいつもまたねって手を小さく振って去ってたけど、正直内心はまたねって言っていい立場なのか悩みながら、いや、でもわたしはまた会いたいと思ってるから!みたいに気持ちを奮い立たせて言っていた。
山羊くんはまたね、とは言わずいつも違う言葉だったから。
でもこの日初めて、当たり前のようにまたねって言ってくれた。小さく手を挙げて。
人からすればこんな些細なこと気にしてるなんてとても滑稽だろうけど、わたしにはとても大きな出来事だった。