題名のない雑記帖

まだまだ道半ば。今はまだタイトルをつける時じゃない。

晴天の霹靂


小さいけれど自分なりに新たな一歩を踏み出して、これからの時代を生き抜く知恵を
つけていこうと日々を過ごしていた矢先に、事件は起きた。

日常会話もままならない夫だったが、わたしの想像を遥かに超えた愚か者だったようで
家がなくなるかもしれない事実と急に直面することになった。

 


とんでもない額の借金を作っていたようで、闇金業者が直接ポストに投函していった
手紙でそれを知った。
子どもの姿を把握したなど家族に危害を加えることを示唆するような内容で、当の本人
は雲隠れしてしまい詳しいこともわからない。
予想もしてなかった緊急事態に、とにかく子どもの安全確保が第一だと考え、気は進
まないが他に頼れるところがないので実家に帰ることにした。

実はこのほんの2日前に3年振りに実家に帰っていた。
癌闘病中の伯父が退院してしばらく実家で療養していて、伯父からはその連絡を貰って
いたので伯父に会いに行ったのだが、後から振り返るとこれも何かの導きだったのかも
しれない。

夫の実家は会社を経営しているし、義父は典型的な昭和のワンマン社長のような人物
なので借金関係の問題は丸投げした。
とてもわたしの手に負える問題じゃないし、そもそもこの時点でわたし自身も夫に
300万貸していた。
夫のおかしさの原因に義父のモラハラも多分にあると思っていたし、今までも散々な
思いをさせられてきて、これ以上はもう付き合いきれなかった。

初日は必要最低限の荷物だけ持って実家から子どもを学校に通わせ、週末に子どもと
自宅に戻って荷物を纏めたり処分したりする日々が続いた。

いつまでこの家に入れるかわからないし、レンタルスペースも借りたけど実家にも
そんなに荷物を持ち込めない。
正常な判断が出来ないまま相当な量の荷物を片付けた。

今まで大事にしてきたもの、思い出が物凄い勢いで消えていく感覚だった。
子どもとの思い出も消えていきそうで自分の頭が怖かったが、感傷に浸っている暇も
も立ち止まっている時間もない。
スピーディに物事を進めるのが苦手なわたしはとにかく必死だった。

常に離婚という言葉が頭にあるような結婚生活だったけど、いくらなんでも何の
準備もなしに離婚を考えなきゃいけなくなるとは思ってもみなかった。
パートすらしてない、完全な専業主婦なのだ。
いくらわたしでもそれがどれだけ無謀なことかわかる。
しかも高校生の、一番お金のかかる年頃の子どもを抱えて。

前に友達から40超えたら本当に仕事がなくなるから早い方がいいと忠告されてたのに、
結局40歳になってしまった。
今更何の仕事が出来るだろう。

でももう離婚したい、とかではなく、離婚しか選択肢がなくなったのだ。
腹を括るしかなかった。