転出
元いた土地の役所に転出届を出しに行った。
義父が勝手にわたし達家族の住所変更をしていたことが発覚して役所の人に少し怪しまれたりと迷惑を被り、余計に疲れてしまった。
最終的にDV夫から逃げてるのかとの心配までされたが、そういうケースの認識がきちんと拡がっていて、配慮が期待できるのはいい事だと思った。
実際にそういう状況の人もいるだろうし、身の危険がある人にうっかりミスなんて許されない。
とりあえずなんとか無事に手続きを終えた。
帰りの電車の中では喪失感のようなものに襲われていた。
あんなに出たい出たいと思っていた土地だったのに、いつの間にかすっかり慣れ親しんでいた。
まさかこんな風に突然出ていくことになるなんて思ってもみなかった。
生活の基盤が出来てて、親子共々一緒に頑張ってきた友達たちもいて、娘との思い出も沢山あって…。
なんとも言えない寂しさがわたしを襲ってきた。
そんな時に絶妙なタイミングで、山羊くんからのメールが届いた。
実はこの前会った時、若い時にカメラを盗まれたショックで辞めていた写真をまた始めることにしたって話を聞いていて、何か撮りたい写真あったら言って!と言われていたので、娘の写真を撮って欲しくてそのことを打診していたので、その日程についての連絡だった。
以前娘はスケートを習っていて、今でも年に1回は二人で滑りに行く。
年末にも行ってきて、その時にもうあと何回一緒に来れるかわからないし、今のうちにちゃんとしたカメラで撮った娘のスケート姿を残しておきたいな、と思ってお願いしてみたのだ。
2年くらい前に一緒にスケート行きたいなと思ったことがあったけど、時を経てまさかこんな形で叶うとは…。
場所も場所なのに、快諾してくれてとても嬉しかった。
お陰で、さっきまでの喪失感もだいぶ薄くなった。
前を向いて、一つずつ今出来ることをやって、進めていかなきゃ。