題名のない雑記帖

まだまだ道半ば。今はまだタイトルをつける時じゃない。

倉庫最後の日


さて、卒業式の日には色々幸せな氣持ちにさせてもらっていたが、実はこの卒業式の前日が倉庫の仕事の最後の日だった。


2月の間に次を決めるつもりだったが、急に夫を捕まえられたりして、職探しまでそう上手いこといかなかった。あの時は離婚届が最優先だった。
それなのに呑氣に娘が卒業だからわたしも卒業ってことにしようと、この日付けで退職届を出してしまったのだ。せめて末日にしておけばよかった。。
とにかく、あんまりのんびりせずに次を探さないと。

それにしても、職場環境を選べるようなスペックでないことは承知だけど、やはりせめて冷暖房完備だけは望みたい。

夏の暑さも、そして特に冬の寒さは本当に苦手で、長年自分好みの快適な空調を効かせた部屋で過ごしてすっかりだらけきっていたこのわたしが、あの極寒の中1日8時間働けたことは少なからず自信になった。体力が落ちるとこまで落ちたこの身体でも、
いざとなれば出来るもんだと。寒さ対策も身に付いた。

でも夏の暑さには耐えられそうもない。暑さ対策はそこまで徹底出来ないだろうし、そうなるときっと酷い頭痛に襲われて仕事どころではなくなる。
気温が上がってくる前に、空調が整った職場に移りたかった。

やっぱり実際に働いてみて、この先何年も長く務めることを具体的に考えられるようになると、ここは妥協しちゃいけない!というラインが見えてくるものだ。

それとわたしはここ数年、今の世の大量生産大量消費が当たり前のような価値観にうんざりしていた。
それなのにその流れの片棒を担ぐようなこの仕事に対しても、どうモチベーションを保てばいいのかが難しかった。
ピッキング自体はいい運動にもなるしそれなりに楽しかった。けれど、ここでの一番の売れ筋はUSBケーブルだったが、毎日本当にたくさんのケーブルを集めて、梱包して、出荷して…というのを繰り返していると、なんだか虚しくなっていった。
やはりモノ
相手の仕事は虚しい。

それと更にモチベーションが下がる根本的な原因があった。
ここでの仕事を頑張るということはスピードを上げるということだ。
スピードが上がれば上がるほど、その日の仕事が早く終わるということ、即ち時給制のパート・バイトは給料が減るのだ。
とても仕事のできる主婦3人衆がいたが、このことについてどう思っているのだろうと常々疑問だった。
この人達なら他にもっといい職場があるんじゃないのか、と。
頑張ったらその分給料が下がるなんて、どう考えてもおかしい。
速く速く!と常にテキパキ動き回っていたこの人達は、その頑張るエネルギーを一体どこから得ていたのだろう。

ネット通販はスピードが命だ。それはわかっている。

滞りなく回す為にこの人達の誰か一人は必ずいるようにシフトが組まれていた。そんな重要な戦力のこの人達と同じ時給なのも申し訳なく思えたし、こういう人達が損をする時給システムに本当に疑問をもった。
せめてこういう人は日給制にするとか、働きに対して正当な対価が与えられるよう、今の世の中のシステムが変わる流れにならないかなと思った。

物も人も安く使い捨てる現状は本当におかしいと、速さを求められる為にあらゆる方向に余裕のない現代のシステムの中で働いてみて、改めて考えさせられた。