題名のない雑記帖

まだまだ道半ば。今はまだタイトルをつける時じゃない。

工場初日


初日の朝、少し余裕を持って工場の最寄り駅に到着できてほっとしたのも束の間、急激に緊張してきた。

面接の時には人間関係も良さそうに感じたけど、やはり初めてのところに行くのは緊張する。元々自分から人の輪に入っていけるタイプではないし。
だから意識しないようにしてたのに、なんでここに来て急に!!

朝から迷惑だとは思ったが、山羊くんに今日から初日で今から出勤、緊張する!!とだけメールで送りつけてしまった。でも緊張を文字にして外に出したことで少し落ち着くことが出来た。山羊くんには勝手に精神安定剤にしてごめんとしか言いようがないけど。

すぐに返信があった。

『初日は緊張するよな。会社の人達はみんな味方だと思って、一年後をイメージして。頑張って!!』

こんな朝の忙しい時間帯に返信なんてもちろん期待してなかった。
それがこんな風に具体的に励ましてくれるなんて!!
本当に感激したし緊張も和らいだ。
お礼を送って心を落ち着けながら工場に向かった。

いざ事務所に着くと、同期入社の男性がいた。36~46歳位の人だ。最近は見た目では年齢がわからない人が多いので、こんなに予想の幅が広がってしまった。

最初の2週間は全ての機械と部署を順に廻って、その後で配属を決めるということだった。
この初日は大きい封筒(角2封筒)を製袋(糊付けして袋状にすること)する機械について、
紙を補充する作業をすることになった。

一枚一枚は軽い紙でも集まればかなりの重さになる。それは覚悟の上だったが、機械のスピードを落としてもらっているとはいえ、それなりの重さの紙の束を汚さないように神経を使いながら機械のスピードに遅れないように補充していくのは緊張したし腕もそれなりに疲れた。

パートの女性達が高く積み上げられた紙を細腕で運んでいるのを目の当たりにして、本当にわたしにもあれが運べるようになるのかも不安になった。
紙の束をばらまいてしまう想像しかできない。

それでもお昼は食堂は男ばかりだからと会長の奥さんが氣を遣って事務所で食べさせてくれたり、パートの女性達も気さくに話しかけてくれたり色々と氣を遣ってくれて、細々とした不安は解消された。
パートじゃなく社員で入ってくるなんてどう考えてもワケありでしょと、パートの女性達には色々噂されるだろうことも覚悟していたが、皆さんいい人ばかりで安心した。

工場長が面接の時にウチはいじめとかそういうのは俺が絶対許さないからと仰っていたが、どうやらそれは本当のようで工場という職場の雰囲氣作りにも相当氣を遣っているらしかった。

とにかく一日も早く仕事に慣れたいなと思って初日を終えた。