題名のない雑記帖

まだまだ道半ば。今はまだタイトルをつける時じゃない。

工場1ヶ月経過、配属先決定


その後また2週間あちこちの部署巡りをして、とうとう配属先が決まった。

わたしは窓抜きという、封筒の宛先が見える部分を繰り抜く機械に配属になった。

他の機械はボタンを押したら自動で動くけど、この機械は唯一足元のペダルで動かす機械だ。
基本的に窓抜き作業はパートさんがやるので、案件ごとに違うサイズの窓枠に合わせて刃を替える型替えが社員の仕事だ。

配属が決まった日の昼休み、喫煙所で断裁機の先輩が話しかけてきた。

「窓抜きになったんだって?いざという時は紙なんかいいから、指だけは氣を付けてね。隣の隣の機械に居る人いるでしょ、あの人窓抜きで指2本失くしてるから。」

その先輩の機械にも一度ついたことがあったが、軍手をしてたし普通に素早く仕事をしてたので指がないなんて全く氣付かなかった。
決まった後にそんな恐ろしい話を聞くとは…。
他にも電源を切らずに機械の掃除をしていて指を失くした人がいるらしい。
ああやっぱり、工場の仕事にはそういう危険が伴うんだ…。

咄嗟の判断なんて、わたしみたいなうっかり者は間違った方を選ぶ自信しかない。
とにかく細心の注意を払って、ここで頑張るしか今のわたしに道はない。

この機械の担当の先輩は自分が教わる時全然きちんと教えて貰えなかったし、そういう嫌な思いをさせたくないからと懇切丁寧に教えて下さった。

この型替えが恐ろしくアナログで難しかった。
目と手と勘で0.2ミリのズレを合わせなきゃならない世界だった。