題名のない雑記帖

まだまだ道半ば。今はまだタイトルをつける時じゃない。

映画『十二単衣を着た悪魔』

 

アマプラにあったので鑑賞。
YouTubeで予告を観た時から平安時代好きとしてはチェックしていたのだ。
こんなに早くアマプラで配信されるなんて、本当に有難い時代だ。

源氏物語を題材に、また新たな視点で料理された面白い作品だった。

数多の新訳、小説化、映画化、漫画化…。
今まで散々あらゆる表現がなされてきたのに、どれだけ時を経ても人々を惹き付け続ける源氏物語の魅力に、改めて驚かされる。

今作は、やはり弘徽殿女御の格好良さがなんと言っても一番だ。
ああいう人に仕えるのなら、それこそ生涯かけてという氣持ちになれるだろう。

雷鳴が六条御息所を慮って弘徽殿女御に自分の考えをはっきりと言うところも、それを受けて六条御息所の氣持ちを汲み取った弘徽殿女御もとても素敵だった。

雷鳴の

 『確かに氣持ちを抑えれば傷を負わずに済むかもしれません。
  でもそんな生き方より、たとえ惨めな結果になったとしても、
  私は魂を抜け出すほど誰かを想う方がいいです。』

という台詞にジーンときた。
やはりわたしはこういうのに惹かれてしまうし、六条御息所を惨めな存在のままにしておかなかったのはこの作品が初めてではないだろうか。

その後に続く雷鳴とのやり取りの中で、自分がいつまでも現役ではいられないことを雷鳴に話して聞かせる時の

 『若い者には負ければ良いのです。』

も潔くて格好良かった!
かく在りたいものです。

雷が現代に戻ってきて、家族と話すときに現代の喋り方に戻らないいくつかのシーンで、改めて日本語の美しさ、柔らかさが際立って感じられた。
もちろん時代劇的な台詞しか知らないから実際の平安時代の本当の言葉はわからないけれど、現代より柔らかい響きであったことは確実だろう。
何だか、こういう言葉の方が素直に心のうちを表現できて、不必要な誤解や絡まりがないスムーズな関係構築が出来そうに思えた。


それにしても伊藤沙莉ちゃんは源氏物語に縁があるなあ。笑
好きな女優さんです😊✨