理想は、履き古した対の靴下のような関係
年末に素敵な映画を観た。
『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』
軽い氣持ちで観始めたのだが、わたしにとってとても大事な映画になった。
この映画を観ていたら、自分が理想とする人生はどういうものなのか改めて思い出せたような氣がした。
今年はこの思いを道標に歩みを進めていきたい。
映画の中でモードが夫となったエベレットに
「私たち、まるで履き古した靴下みたいね。」
(台詞はうろ覚えなので細かい間違いはご容赦を)
と言うシーンがある。
結婚したその夜に言うような例えではない、キラキラとは無縁なこの台詞が、このシーンが、
たまらなくロマンチックだった。
これを長年連れ添った夫婦が言っても響いてこないのだ。
およそロマンチックとは程遠い出会いから、それぞれが自分の出来ることを持ち寄ってすこしづつ近付いた結果、不純物のない透明な愛が生まれた。
その末の結婚初夜での台詞だから、あんなにもロマンチックに響いたのだ。
〝履き古した靴下〟から連想できる圧倒的唯一無二感が凄い。
共に過ごした年月や歴史について想像させるし、自分たちをこんな風に例えられることからも絶対的な信頼感が伺える。
こんなパートナーシップを結べたら。
自分の理想の一つが可視化できた。
ここまで考えて、昔観た『ふたりの桃源郷』というドキュメンタリーを思い出した。
あの二人こそ理想の夫婦だと、当時思ったのだ。
今調べたら映画化していた。
わたしにとっての幸せはやっぱりこういったことだなあ。
そうなれるように、今年も引き続き魂を磨かなければ。